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少年万引モラルハザードNo.3 

産經新聞 5月14日記事

3人組の供述── 犯罪意識なく悪質、巧妙

ゲームソフト、DVDなどを扱う店が集中する東京・秋葉原の電気街は、少年万引の多発地帯だ。この街を管轄する警視庁万世橋署の1階ロビー。ソファに座り、近くのラックにあった少年万引防止パンフレットを広げてみると、大きな文字が目に飛び込んできた。

「万引きは『犯罪』です」

「見つからなくても、見つかって代金を払っても」と、丁寧な補足説明もある。別の防犯パンフレットにも目を通してみたが、「覚醒(かくせい)剤使用は犯罪です」「ひき逃げは犯罪です」という記載はない。

産經新聞5月14日
産經新聞5月14日

「少年万引 モラルハザード」

万引は犯罪─。当たり前のことを殊更に強調する理由について、警視庁少年育成課の原哲也課長は「万引は窃盗の手口の一つに過ぎず、他人の財物を盗む刑法犯にもかかわらず、万引を窃盗と認識していない保護者や少年が増えているから」と説明する。「万引=犯罪」という常識を植えつける啓蒙(けいもう)活動から始めなければならない現実が、そこにはある。

今春の夕方。北関東の県立高校に通う16歳の少年3人が、JR秋葉原駅のホームに降り立った。3人の目的はゲームソフトの万引。盗んだソフトを買い取り専門店で換金して、おしゃれな洋服を買うつもりだ。それぞれ大きな空の手提げバッグを携え、電気街へと向かった。

あるパソコンショップで足を止め、一階のゲームソフト売り場へ。キョロキョロと周囲を見渡す。店員の数が少なく、死角も多い。「やれる」。陳列棚にあるゲームソフトを次々にバッグの中に入れ、足早に出入り口に向かった。防犯タグを商品につけたまま防犯ゲートを通過。「やった!アラームが鳴らない」。3人の顔がほころんだ。

ところが、私服警備員が犯行の一部始終を見ていた。店舗出入り口で3人を取り押さえ、110番通報した。被害品はゲームソフト10点(計66,920円相当)。いずれも換金率の高い新作商品だった。

結果的に3人の万引は失敗に終わった。しかし、犯行そのものは巧妙に仕組まれた計画的なものだった。

盗んだゲームソフトには電波に反応する防犯タグがついており、会計を済ませず防犯ゲートを通るとアラームがなるはずだが、三人が盗品を入れたバッグの内側には、電波に反応しないよう特殊な加工が施されていた。防犯タグを切り取る手間が省ける分、犯行がスムーズに行える。

防犯機器メーカーによると、店舗の防犯システムの方式によっては、商品についている防犯タグを特定の金属に包み込んだり、ある種の液体につけたりすれば反応しないという。

「秋葉原にはたくさんの店があって、ゲームソフトがたくさんあるでしょ。金になるところなんだ」「万引は簡単にできると思っていた。こんな(補導される)事態になると考えてもいなかった」

警視庁が一般配布している防犯パンフレット。
警視庁が一般配布している防犯パンフレット。

「万引きは犯罪」という当たり前の言葉が目を引く

万世橋署生活安全課の相談室。補導された3人は、少年係の捜査員の取り調べにも淡々と応じた。彼らの供述からは、窃盗が犯罪であると認識している様子はうかがえない。ただ一点、同署で初めて認知した”万引バッグ”の作り方については、捜査員の粘り強い説得でようやく固い口を開いた。

「学校の先輩から教えてもらったんだよ」

防犯システムを熟知した巧妙な犯行手口が、知らぬ間に少年たちの間で広まっていたらしい。

「ゲームソフトなど高額商品が、換金目的で狙われている。計画的に、しかも大量に万引をするケースも目立ち始めている」と、万世橋署の玉木芳信副署長は指摘する。少年万引の悪質化、巧妙化に一層拍車がかかっている。(比護義則)

■少年の万引防止パンフレット

警視庁の各警察署に置かれている都民用防犯パンフレットの一つ。万引をしている子供の態度について、

  1. 帰宅時間を守らなくなる
  2. 小遣いの日を忘れている
  3. 家族との会話を避ける

-などを指摘。

万引少年に対する誤った親の態度については

  1. 盗品を買い取ればいいと思っている
  2. 気にもとめない
  3. 見つかる前に処分してしまう
  4. -などの例を紹介。家庭のしつけの大切さを訴えている。

No.4 「大粒の涙──『980円』で逮捕、罪の重さを自覚」に続く

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