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これからの中小企業の生き方

中小企業の外部資源の活用とネットワークの構築

1. 専門能力を活用するネットワーク

(~中略) 「安全・防犯・サービス・効率アップ」に役立つ各種ミラーの専門メーカーであるコミー(株)(川口市)は、従業員はパートを含めて20名程の小企業だが、現在の年商は3億円。
コンビニなどで使われている「ショップミラー」では国内シェア約8割でトップ、97年には航空機用のミラーを開発し、ボーイング社など世界の航空機メーカーへ納入しているが、この発展の秘訣も優れた外部資源の活用にある

2. 社外の専門家との共創

その第1は、社長の高校・大学・日本精工時代の友人、異業種交流や研修会で知り合った講師などとの縁を大切にし、それらの人々の「創意と体験」を、新製品の開発・商品化やその時々の経営課題の発見と解決に活用する試行錯誤を重ねながら、必要な時には電話でも相談に乗ってもらえ、社内の担当者と一緒になって課題解決のために汗を流してくれる、20余人の専門家のネットワークを「コミーの財産」(小宮山社長)として大切に育ててきたことである。

例えば、1967年に看板業として創業された当社の発展の基盤となった、回転看板や回転ミラーの「回転装置」は社長の日本精工時代の友人の技術的アドバイスにより開発されたものだし、軽くて丈夫で視野の広いFFミラーの開発。
在庫ゼロでも即納できる自動組立ラインの要となる「カットロボ」の開発や生産システムの改善。
ISOの取得、各種ミラーのデザイン、マーケティング、当社独自の労務管理、事務管理システムなども、20人余にも及ぶ専門家と社内の担当者とが、創業以来、なぜなぜと議論しながら「こだわり」をもって”製品やシステム”を共創してきた長年の努力の積み重ねの成果であり、これにより社内の人材が育ち、コア・コンピタンスの強化・拡充も進んできたのである。第2は、ミラーやネジなどの部品、梱包材などの製造は、すべて専門企業にアウトソーシングしており、社員は企画・開発・設計・デザイン、マーケティング、品質管理、販売、アフターサービスなど、自社でしかできない仕事に集中していることである。

しかも、顧客満足に全力を集中するため、当社は創業以来販売も仕入れも現金主義を貫き、手形は一枚も発行していない。
このように内外の知恵と資源を結集するネットワーク経営の成功の鍵は、”なぜ”を大切に参加者が対等に議論して真の顧客満足を共創する、自己実現の経営風土づくりにあるように思われる。(後略)

その他のページにも掲載されています

P13
不可能を可能にする挑戦力と外部の経営資源の活用力が発展のカギ
P22
なぜ、なぜ、なぜと休みなくこだわりの商品開発
P74
最適なネットワークを構築して小さな世界企業に
P130
グローバル・ネットワークの構築

菊池 秀雄 著/泉文堂(書籍)