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ガラス・建装時報 2002年1月20日

不況でも着実に伸びる──

防犯用鏡のコミー コンビニ・病院・航空機にも

ガラス・建装時報 記事いつの時代も、世の中には「死角」や「盲点」はある。「ミラーで死角を生かす」というキャッチフレーズでこの不況期を乗り切っている企業がコミー(埼玉県川口市、小宮山栄社長)だ。凸面鏡(プラスチック製)で一般商店舗や百貨店、スーパーの各売り場、コンビニエンスストア、学校、病院、オフィス、さらに交通機関やエレベーターと、万引防止や防犯、危険予知(安全)、サービスアップを目的とするあらゆる所で活躍している。

同社製品は単純な円形の凸面鏡ではない。半円形もあれば四分の一円形、だ円形、球面、長方形とあらゆるデザインとサイズ、品種をそろえる。だから、どんな場所にも適合する。凸面になっているため、通常は死角となって見えない部分が、すべて見える。

スーパーやコンビニの商品陳列棚があるとしよう。平板鏡ではすべてを一ヵ所から見渡すことは不可能だ。ところがコミーの凸面鏡を室内の天井やコーナーに取り付けるだけで、あらゆる場所から見えるから、仮に万引しようと思っても「店員や客に見られる」という防犯効果が働く。

実は効果は、それだけではない。

万引の常習犯は、実際は万引をした振りを見せる場合があるという。「物を盗んで違う陳列棚に置く」という手口だ。だから万引犯を捕らえる保安員がだまされないように凸面防犯鏡を店内に設置するケースが多いという。どこからでも万引の手口を一分も見過ごさないようにチェックするためだ。それが分かると万引犯は、その店舗からは姿を消す。それで万引による被害は少なくなる。大きい店舗だと年間数百万円、数千万円に及ぶというから、たかだか鏡を取り付ける経費くらい安いということになる。

昨今の店員の人減らし、リストラにも鏡は効果を発揮している。人員が少なくなっても鏡を数ヵ所に設置してあれば、客の行動や陳列商品の在庫の様子、万引に対しても少人数で見通せるからだ。

だから、凸面鏡は「防犯効果」だけではない。サービス、作業効率のアップなどに効果を発揮する。だったらこの鏡、だれでも簡単に作れ、だれでも販売できるのではないかと思いがちだが、最近は競合メーカーがあまり見当たらない。

このことを小宮山社長は「一つのパターンのミラーならだれでも簡単に作れるが、私どものようにこれだけの品種をそろえるとなれば、そうも簡単にはいかない。販売ルートをどうするか。これも難しい。一般ユーザーが必要とするのではなく、官庁やスーパー、交通機関、事務所や倉庫などで、特定の人が購買相手となるから、量的な面で、そんなに売れるるものではないから」と説明する。

そういえばよく見掛ける、道路鏡とは用途と設置場所が違う。あくまでも、万引防止を中心とした防犯、安全を必要とする店舗や通路、室内がターゲットで、店舗で見掛ける凸面鏡のほとんどがコミー製だ。同社が十五年前(一九八六年)に開発したのが、凸面でないのに(フラット)、凸面鏡と同じように広い視野が得られる画期的な製品「FFミラ―」。フラットなため、取り付けスペース(特に高さ)に制限がある場所に有効だ。このため、航空機やエレベーター、車出口用ほかで利用が拡大している。 同社の企業哲学を少し紹介しておくと「決して大企業は目指さない」。ユーザーの声を大切にする。だから新しい販売会社に対するセールスも「コミー製品は売れています。扱えばもうかります」というよりは「ぜひ御社の販売ルートで実験してみてください」と頼むそうだ。こうしたことを積み重ねる営業姿勢と努力が今日のコミーの基盤を形成しているといえそうだ。

製品開発面はどうか。小企業では、そんなに立派な技術開発者を常に雇うことはできないものだが。「社内で解けなくても、一流のブレーン(プロ)が周囲にたくさんいる。これがコミーの誇り」と小宮山社長は語る。しかも同社は会社創立以来、約束手形は一円も発行していない。現金主義、これもコミーの特徴だ。

「物が売れないという前に、こんなミラーもあるから、店舗や役所、JR、オフィスなどに出入りするガラス関係業者、サッシ、自動ドア販売業者も、コミー製品を扱ったら」と小宮山社長はいいたげだ。しかし、そんなに簡単に売れるものではないと思うが・・・。