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日刊工業新聞 06年12月15日号

モノづくり屋自慢5

未来の人に役立つために

仕事は本当に面白い

日刊工業新聞
日刊工業新聞 06年12月15日号

人間とは何か?パスカルの「人間とは考える葦である」と昔学んだ。また「人間は社会的動物である」との言葉もある。

われわれ人間は会社、家庭、地域、趣味などと縦社会と横社会があり、もんだり、もまれたりしながら生きている。ニートといえども、お金という社会がなければ生きてはいけない。

最近のテレビをみると猿でも思考をするし、社会的な動物である。しかも葦と違って弱い生物でもない。では人間と他の動物との違いをひと言でいえる言葉はないか?人間は「手の動物」「時間の動物」「言語の動物」「宗教の動物」と清水馨八郎先生の本にあった。

以前、記したドラッカーの言葉と合わせて今回、凡人の私が「人間はモノづくりをする動物である」と定義してみた。モノが人間社会や地球環境までも支配するのである。モノづくり屋は「手」はもちろんだが「時間」つまり過去・現在・未来の認識語で鍛えられる。

例えばモノづくり屋ではおなじみである品質管理やカイゼン、「プラン・ドゥー・シー」、クレーム時の「原因究明、現状処理、再発防止」「前工程、後工程」などである。

一方で世界はモノづくりで便利になった反面、日本人が一瞬のうちに10万人近く殺された核兵器をはじめ、オゾン層破壊、地球温暖化など大量生物破壊の未来を人類の大半が心配するようになった。

この問題はバブルを大量発生させて箱モノしかつくれなかった連中には任せておけない。

彼らは大もうけしたはずなのに「未来に良い社会をつくるための学校をつくろう」などの発想がまったくなかった。これは「過去・現在・未来」を考える時間能力のなかった一部(?)の銀行、保険屋、政治家、マスコミなどお金を動かしていたからである。

昔、松下幸之助氏は商売はうまいが他社の真似が多かったため、マネシタデンキと呼ばれていた。しかし松下氏は日本の未来を考えて松下政経塾をつくり、その塾生だった人々がすばらしい政治家になっている。

モノづくり屋の夢は自分の哲学を政治までつなげることであると思う。モノづくり屋の言葉「後工程はお客さま」すなわち、われわれの人生の後工程である未来の人類に役立つための仕事が本当に面白いと思う。