Home > メディア掲載記事 > 日刊工業新聞 06年12月8日号

日刊工業新聞 06年12月8日号

モノづくり屋自慢4

職業上何を見つめるか

学んで誇り身に付く

日刊工業新聞
日刊工業新聞 06年12月8日号

企業や職業はいろいろあり、「人、物、金」のどこを深く見つめるかによって、自分が変わっていくと思う。「金」ばかり見つめている職業は何だろうか。
それは銀行屋だろう。それでは「人」ばかり見つめている職業は何だろう。
それは政治家だろう。
どんなに立派でも票にならなければ政治家にはなれない。
そのためには「金」を見つめることも必要である。

「物」をまず見つめなければいけないのは、モノづくり屋である。そのために「人」と「金」も必要である。しかしモノづくり屋から言わせてもらえれば、「金」というものはどこから来て、どこへ流れるかわからない。前工程、後工程の責任がない。
また「人」は、どんどん忘れる。この「人」と「金」を考えるだけで、まともな人間になれるだろうか。「物」も常に考えることが必要だろう。
耐震強度偽装事件では、「物」はマンションなのに「人」や「金」だけを見つめすぎて「物」を忘れたから、あれだけ社会から叩かれたのだろう。彼らは「人」「金」だけを見つめればすむような商売をしていれば、成功していたであろう。
モノづくり屋の場合は、いやでも過去の仕事が目の前に現れてくる。私は昔、看板塗装屋をしていたが、「下手な看板だった」とか「もう錆びてしまった」とか、お金をもらってかなり時間がたってからでも、反省して学習するのである。そこに誇りとか恥という概念が身に付くのである。

われわれモノづくり屋の限界はどこにあるだろうか。地球温暖化であと50年、100年たったら大変なことになる。モノづくり屋からすれば例えば車なら公害を出さず、資源を使わず、安全な車をつくることであろう。 そしてモノづくり屋ががんばって有害ガスの発生を3割減らし、燃費を3割良くしたとしよう。しかしインドや中国の人がジャンジャン車をつくり、今までの2倍、3倍に車が増えたら、加速度的に大変なことになる。そんな時は銀行屋や政治家の出番であると思う。