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繁栄 2001年8月号 Vol.255

スピードとコスト削減で生産性をあげています。

繁栄私どもは、コンビニエンスストアなどの商業施設や工場、倉庫、車の出入口、公共施設、航空機などで使用されている防犯、安全、サービスなど気くばり用ミラーの製造・販売を手がけています。さまざまな業界とかかわっている上に、製品のほとんどがロングセラーなので、製造する品種も増え続け、現在約100種類のミラーを製造しています。商品はすべて手づくりで、少量生産、1個からでも注文を受けています。

いままで商品開発に重点を置いていたのですが、この多品種少量、短納期の形態を維持していくために、それなりの生産体制を築かなければと考えていた時、『NPSの奇跡』*という本に出会ったのです。読んでモノづくりとはこういうものだ、とショックを受けました。*『NPSの奇跡』(篠原勲著 東洋経済新報社)

このNPS(ニュー・プロダクション・システム)には(1)部品在庫のみで完成・中間在庫なし、(2)短納期、(3)多品種少量生産という3原則があり、これをさらに徹底させようとコンサルタントにお願いして5S活動を進めました。ちょうど工場スペースが手狭になったこともこの活動を熱心に進める力になりました。在庫を徹底して減らし、製造品種が増え続けても対応できる工場づくりを目指したのです。社員とは定期的に会議を持って5Sを定着させていき、それにつれて在庫はみるみる削減されました。

繁栄 記事さらに、各プロセスで滞留をなくすため、作業員が一人で組み立てから出荷までをする形式(セル方式)に変えたのです。これにより連絡によるタイムロスもなくなり、効率化・スピード化がぐんと図れました。

私どもは基本的に、お客様と自社と下請けというタテの関係を、3者がヨコに並ぶ関係に変えたいのです。お客様からお願いされることも外注先にお願いすることも基本は同じです。手形をもらわない、手形で支払わないということ、在庫を持たない、お客様に在庫を持たせないことも原則です。多品種少量、短納期を維持するためにはお客様にも外注先にも協力していただかなければなりません。こうした約束が実現できれば、トラブルもなくなり、生産・納品のスピード化もコスト削減も図れます。

今は製品を梱包する時に使用する段ボールの在庫削減に取り組んでいます。製品ごとに形状が違うため、約100種類のダンボールを使用しますので、保管のための場所の確保・整理だけでなく、入庫・出庫作業もバカになりません。そこで、いままで50枚単位のロットで納品していた業者とは別の業者を開拓して小ロットで納品してもらうことにしました。

残った段ボールの数に合わせて発注する従来の方式に加えて、ある程度まとまったものは受注に合わせて製造日に製造数だけ納品してもらう方式を採り入れたのです。この方式だと使用する数だけ納品されるので、在庫が発生しません。この2方式を併用することで段ボールの在庫がかなり減り、保管の数も抑えられるのです。

さらに段ボールの在庫をゼロに近づけるため、外注先との情報共有を始めました。製造予定一覧表(何を、いつ、何個、どのラインでつくるか)を外注先に伝え、製品を組立・発送する日の朝に、指定ラインに段ボールを搬入しておいてもらうのです。また、機種・値段を書いた注文書をファックスで外注先に送りますので、外注先は請求書と納品書を発行するという繁雑な作業と負担がなくなります。

これはSCM(サプライチェーンマネジメント)のコンセプトを応用したものです。間接作業の削減は、コスト削減と同時に生産スピードを上げることに大いに役立ちます。安定供給を目指し、受注に対してスピーディーな対応を心がけています。(談)

●埼玉県川口市●業務用ミラーの製造・販売●昭和43年創業●社員20名