Home > メディア掲載記事 > Fuji Sankei Business i  ’13年9月19日号

Fuji Sankei Business i  ’13年9月19日号

コミー 施設内での衝突回避

平面鏡 医療・介護分野に照準

通路を行き交う人たちの衝突や転倒を未然に防ぐ平面鏡の市場開拓に力を入れる企業がミラーメーカーのコミー(埼玉県川口市)だ。ターゲットの一つが医療・福祉分野で、壁面に貼り付ける方法とはめ込む工法を提案し、安心・安全な院内環境づくりなどの一助を担う考えだ。

展開先の拡大をめざす平面鏡は、2011年6月に発売した「FF(ファンタスティック・フラット)ミラー通路」。この製品は衝撃に強い特殊プラスチック製で、平らにもかかわらず視野が広い。厚さが約3.9mmと薄く軽量なことも売りだ。

FFミラーを通路側面に両面テープで固定すると、建物内の通路で歩行者同士が出合い頭にぶつかる事故を防ぐことができる。映る範囲は使用環境に応じて変えられる。「左右用ミラー」の場合、狭い通路から広い通路側に進むT字路で両側の死角をとらえることができる。

同社は、こうした安全通行支援ツールの営業活動を病院や介護施設などを照準に強化する。車いすや点滴スタンドを使用する患者、治療器具を運ぶ看護師など、院内を行き交う人々の衝突を回避するニーズに応える。

すでにFFミラーは、オフィスや工場などで導入実績を積み上げる。航空機の手荷物入れをチェックしたりATM(現金自動預払機)で後方確認したりする手段としても活躍してきた。

今後は後付けタイプの販売と並行し、新築・改築する建物の設計段階からFFミラーを提案し、はめ込む展開にも注力する。6月に開設した東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区)の新施設には、エレベーターの中から乗り込もうとする人を確認するミラーが「はめ込み工法」で58枚採用された。ミラーが壁と一体化するため、美しい仕上がりを実現できるという。

背景には、相次ぐ病院の新築と改築がある。2014年度末までに約450に上る施設が完工したり着工したりする。こうした中で当面は、約100の施設への導入を視野に営業攻勢をかける方針だ。さらに海外市場での商機拡大もねらう。

高齢化社会の進展に伴い病院などでの高齢者の転倒問題が問題視されている。これを踏まえて徳永武史営業部長は「病院に出入りする多くの人々がミラーに気づけば、院内を通行する際の安全性が高まる。ミラーを生かせる市場を医療・福祉分野で拡大したい」と意気込む。

「死角を生かす気くばりミラー」を顧客目線で追求し続ける同社の挑戦の舞台が一段と広がりつつある。(臼井慎太郎)