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山手線、ひと駅だけの出来事(ネクタイ問題シリーズNo.1)(2002.06)

西川口から新橋まで行く用事があった。
JR京浜東北線で東京駅まで行き、山手線に乗り換え、一つ目が有楽町、二つ目が新橋である。

東京駅で山手線に乗り、立っていると異様な手つきでネクタイをいじっている若者が座っていた。
少し眺めていると、なんと私に向かって「締め方を教えてくれ」という。ビックリした。野次馬にいきなり「教師になれ」というのである。

即座に「教えてやろう」という気になった。
それはいつもこんな問題意識を持っていたからである。私も含め、一般に年をとるに従い、人に教わることは嫌いになり、教えることを好むようになる。
しかし、最近はメディアの発達とともに、「教えてくれ」という若者が年々減り、私どもの孤独化が進行するのではないか。
「よしきたっ。孤独化を吹き飛ばすチャンスだ。新橋までに教えてやろう」という気になった。

さっそくネクタイを渡してもらい、結んで教えることにした。
ところが、首にかけ太い方を右にするか、左にするかを忘れていたのである。
毎日ネクタイをしていたのにである。

何故、忘れたか?
その秘密は数年前「ネクタイほどかず整理法」(別図)を開発したからである。
ネクタイは通常、朝は締めるといっているが、これを分析すると、朝は「結ぶ」「締める」の工程であり、夜は「緩める」「ほどく」である。
この「結ぶ」と「ほどく」はどう考えてもムダである。
輪のままで朝は「締める」夜は「緩める」だけにしたのである。

工程の減少でゆとりをもって出勤できるだけではなく、ほとんどさわらないのでネクタイが汚れないのである。

山手線で若者に依頼され、ネクタイを結ぶのは久しぶりだった。
でもなんとか結んで輪を作ってやり「この輪を大きくして首に巻き、締めたり緩めたりするだけで、絶対ほどいてはダメだぞ!」 と、熱を入れて教えた。

ほっとしたところで電車が止まったのであわてて降りた。
しかし、緊張のあまり降りる駅を確認しなかった。
なんとまだ有楽町であった。間違えてきまりが悪いので、別のドアから乗り直した。
遠くから若者を見たが無事にしていたようだった。
なんとかひと駅だけで問題解決ができたようだ。

私も少しは老化防止になった。

「ネクタイほどかず整理法」

10本はかけられます。
奥にあるネクタイでも絡まらず、簡単にすぐ取り出せます。
世界初なのか、誰でもやっているのか今のところ不明です。
また、デパートに置くか、百円ショップに置くか、もちろん展示方法なども研究の必要があると思います。
「ほどけずネクタイ」として店頭にあったら売れるかもしれません。

また、三角部分は汚れたら同じ生地で張り替えられたらいいなと思います。