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巣鴨の鴨料理屋(1987.02)

巣鴨地蔵手前の一番高いビルの地下に「さんみや」という鴨料理屋がある。

マスターは酒好きのサラリーマンであったが、
「昔、親父が文士がよく来る鴨料理屋をしていた。

俺も年だし、儲からんでもいいから、女房と始めたかった」
また、タチの悪い客は入れたくないので看板もろくに出さない。

道ゆく人はまず気が付かない。
客には「子供10人を躾ている親父」

「突然全盲になった人」や
「元ボクサー」等、珍しい人が多い。
地酒は「千曲錦」、ウイスキーは「ニッカ」、 ビールは「エビス」の少数派。

つまみは「おでん」「煮込み」「さしみ」なんでも安い。
BGMは古いラジオである。

当時、「さんみや」は地下にあり、看板も地味で目立たず、固定客だけだった。無断でこの看板を出したが、マスターは 「珍しく新規客が続くので、どうしたのだろう」と不思議に思ったという。私もその中の客から「すぐ来い」と呼び出されて「さんみや」に行ったこともある。今も、その客との縁は続いている。「さんみや」は1999年末に閉店した。