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東京都立葛飾ろう学校 衝突防止物語<No.1>

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コミーは東京都立葛飾ろう学校に、校内の衝突防止用ミラーを22台寄贈した。設置の約1か月後、小宮山(社長)を含む3名で学校を訪問。副校長からの第一声は「衝突の危険性が劇的に減りました」だった。
寄贈のきっかけは「聴覚に障害を持つ子どもたちは、ミラーを必要としている度合いが高いのではないか」と思ったことだったが、話を聞くうちに気づいたのは、「衝突防止はどんな学校にも共通する問題」ということだった。

ろう学校から「ミラーの貸出制度を利用したい」との連絡。
すべてはここから始まった


 コミーには「無料貸出」という制度がある。商品を購入する前に、ミラーの映る範囲や像の大きさなどを確認できる制度だ。2014年11月14日に、東京都立葛飾ろう学校からこの貸出制度を利用したいという連絡があった。校内の廊下で衝突があり、対策を検討しているとのことだった。
 通常、無料貸出の申し込みがあると、まずは現場のことをよく知っている人と電話で話し、最適な商品を選定する。その後、商品を送付し、現場でミラーを当てて確認してもらう。
 しかし、ちょうどこの少し前から、コミーでは「ミラーを本当に必要としているのはどんな人だろう? 車いすの方や聴覚に障害を持つ方などは、ミラーを必要とする度合いが高いのではないか?」と考えていた。もっと話を聞いて理解を深めようというのが、会社方針にもなっていた。電話だけでなく、実際に学校の現場を見ながら話ができないだろうか。早速、連絡をとり、担当の朴が訪問することになった。

現場へ行き、衝突の危険がある所を確認


 貸出の申し込みから5日後、綾瀬駅から歩いて7分ほどの所にある葛飾ろう学校を訪ねた。
 校内に入って朴が感じたのは、学校とは思えないほど静かだということだ。幼稚部から高等部まで約200名の生徒が学んでいるというのに、子どもたちが騒ぐような声は全く聞こえてこない。
 しかし静かだからといって、子どもたちがみな大人しいわけではないらしい。好奇心旺盛で活発な子が多いのだ。生活指導部の加藤紀彦先生によると、生徒には走らないよう指導しているのだが、小学部や幼稚部の子どもたちはどうしても走ってしまう。例えば、みんなが楽しみにしている昼食の時間。うれしくて食堂までの廊下を駆けてしまう。曲がり角でぶつかって怪我をしないよう、先生方はかなり気を使っているようだ。
 この日は、加藤先生とともに衝突の危険がある場所を見て回りながら、どんなミラーを設置したらいいか確認した。ミラーが必要な場所は9か所・18台。この中には、実際に衝突が起きた場所も含まれる。今回、加藤先生が無料貸出を申し込んだ目的は来年度予算の申請のためで、すぐに決定というわけにはいかないが、直接ミラーを見て確認することができ、参考になったと言ってくれた。

予算の確保は難しいとの話。それならミラーが本当に
役立つかどうか知るために、寄贈してみてはどうだろう?


 12月、加藤先生に電話をした。すべての個所にミラーを取付けできる可能性は低く、申請が通ったとしても1か所か2か所だろうとのことだった。
 朴が現場を見に行ったときには、ミラーが効果を発揮できそうな個所がいくつもあった。もし予算が下りなかった場合、無償でミラーを提供したらどうだろう。その代わり、使った感想や本当に役に立ったかを聞かせてもらえないだろうか。特に2011年に発売した「FFミラー通路」は、ユーザーからの声が少ない。子どもたちの目線に合わせて設置できるミラーなのだが、学校で活用している例はあまりないのだ。コミーの方針は「最終ユーザーの役に立っているか? 役に立たない商品は売るな」である。葛飾ろう学校で使ってもらい、職員の方や生徒たちに本当に役立つのか、ぜひ教えてほしい。いずれにせよ予算の結果が出るのは翌年の3月。3月まで待つことになった。

普通の鏡 凸面ミラー FFミラー
普通のミラー図
姿見などに使われているミラー。

視野が広く、自動車のバックミラーや、交差点のカーブミラーなどにも使われている。

コミーが開発した世界初のフラットなのに視野が広い鏡。出っぱらないので目線に合わせて設置が可能。

子どもたちはミラーに興味津々! 「凸面じゃないの?」など
質問攻めに

幼稚部ミラー
幼稚部のL字路に設置したミラー。子どもの目線に合わせているので、取り付け位置はかなり低い。“見ようね”という注意表示も付けた。


 2015年3月、再び加藤先生に連絡してみた。残念ながら予算は通らなかったとのこと。そこで、考えていたミラーの寄贈のことを提案してみた。学校内で検討してくれ、5月にこの提案を受け入れてくれることが決まった。
 6月4日、ミラーの設置個所を再確認するため、朴が葛飾ろう学校を再訪問した。衝突対策が必要な個所を確認しながら、どこにどのミラーを何台設置するかを加藤先生と検討していった。そして6月24日、ついにミラーを設置することになった。今回は、加藤先生のほかにも副校長の戸石泉先生、今年度から生活指導担当となった牧野敬先生など、6人が対応してくれた。
 朴がミラーを設置していたら、子どもたちが声をかけてきた。「どうして付けるの?」「これは平面なの? 凸面じゃないの?」など質問攻め。通常、ミラーを設置しに行っても、「業者さんが何かやっているな」程度にチラッと見るだけで、質問してくる人はほとんどない。しかし葛飾ろう学校の子どもたちは本当に好奇心が旺盛で、みんなが質問してくる。
 声をかけてくるのは子どもたちばかりではない。職員の方も「こっちのほうが優先度が高い」「ここにもミラーが必要」と要望を伝えにくる。衝突防止への関心がとても高く、みな子どもたちの安全を真剣に考えていることがよくわかった。
 この日は、当初の予定よりも多い20台のミラーを設置した。そのうち数か所には「安全確認」「見ようね」などの注意表示もつけた。