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「ラミ」デザイン&Gマーク取得物語

開発の動機

ラミコミーは、いろいろな気くばりミラーを開発してきた。
1年半ほど前(1998年初め)、日本経済がまっさかさまに落ちていく感じがした。
そのような日本の経済状況の下、「もう一度基本から見直してみよう」とデザイナー や関係者全員で街を歩き、いろいろなお店を見てまわった。

そこでは工場・倉庫向けに開発したハーフドーム型のコミーの商品が、意外にも専門店の売り場に設置されていた。
「この商品は接客業にも役立っている」と感じた。
さらに、軽くシンプルで、もっといいデザインはできないだろうか。 「多品種少量やオーダーメイドにも更にチャレンジしよう」と決意した。

浮かせばシルエットもデザインになった

デザイナーに依頼すると、次々といいデザインのフチを持ったミラーができてきた。
普通の平面ミラーでもそうであるが、ミラーのデザインはフチをどうするかである。
壁の色や個人の好みもあるので、数種類用意すれば良いのではと思った。
いろいろ試作をつくり、営業が持ち歩き、意見を聞いてまわった。しかし、一人が「ダメだ!!」と言いだし、「なぜだ?」となった。

そこでもう一度デザイナーを呼んで話し合おうということになり、せっかくお金と時間をかけてつくったものを見直すことにした。
「ミラーの本質は映すことだけであり、本来ならフチがない方が良い。しかし切りっ放しというわけにもいかない」とデザイナーと意見が一致した。

1ヵ月後、デザイナーはすばらしいデザインとアイデアを持ってきた。
ミラーを壁から3cm程浮かすという発想である。浮かすとシルエットができる。シルエットもデザインになった。これで基本コンセプトの一部ができた。

掛けるという発想

次に問題となったのはミラーと取付金具をどのように止めるかである。従来はビスで止めるか、ゴムのフチで止めていた。超軽量なので両面テープで止めても良いのだが、万一落ちたらという不安があってはいけない。さまざまな方法を検討していたところ、一人が針金細工をしたようなメガネを持ってきた。

「えっ、これがGマーク大賞?」
これは、レンズや針金の特徴をとことん生かし、極度に単純化したデザインであった。
そこで「このアクリル製ミラーの特徴をとことん生かすデザインは?」となった。

一般の人には、ミラーはガラスで重たいというイメージがある。
しかし、このアクリル製のミラーは週刊誌より軽く、丈夫で万一落としてもほとんど割れない。硬さに例えれば「ガラスはセンベイであり、アクリルはコンニャクみたいなもの」である。アクリルはやわらかいが変形しやすい。像が変形しない保持方法を考えれば良いのである。

グッゴデザイン省 ミラーに2ヵ所穴を開けて針金に掛け、あと1ヵ所は着脱可能なテープで止める、という発想が生まれ、特許を申請した。
「ラミ」がやっと誕生した。 そして、1999年度のグッドデザイン賞にも応募し受賞した。

シンプルデザインに徹し、さまざまな壁面に調和する幅広い対応性をねらった。壁面取り付けやミラーの着脱も、掛けて押すだけ。
清掃、鏡面の交換などメンテナンス性、解体分化などでリサイクル性も考慮し、簡単に作業できるようデザインした。

(デザイナー 矢嶋敬美氏のコメント)