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新社屋建築物語<連載No.5>

5. 移転大作戦

新社屋が完成し、引き渡し日も決まった。いよいよ引越しの準備にかからなくてはならない。 一時、生産が中断してしまうが、お客様に迷惑をかけないよう最大限の注意を払った。 また、大型機械の移送に関しては業者と綿密な打ち合わせを行った。 引越し当日はいくつかのトラブルがあったが、無事移転を終えた。

●納期遅れをしないための「見込み生産」作戦

まずお客様や外注業者など関係各社には、図のような日程で、ご挨拶と新社屋の住所・電話番号および地図を郵送、注文されたお客様にはファックスで連絡をすることとした。 機械の移送・立ち上げを考えると、新しい工場で通常の作業ができるまでの数週間は生産がストップする。 その間も注文をいただいたお客様に予定期日までに製品を届けるために、見込み生産で機械を稼動させた。

●故障などへの対処を考え、大型機械類を先行して移送

建物の引き渡しが9月4日と決まり、翌日5日に機械設備を移送することにした。工場・事務所・第二倉庫などからの荷物の移送は9月16~18日の3連休を当てた。 機械設備の移送を先行させたのは、「カットロボ1」のフレーム剛性強度不足のほか、シーケンサーが旧型で移転時に故障などをした場合に予備品の補充に不安があり、 修理にも時間がかかると考えたからである。 工場からは引越し前日まで機械が稼動しているため、当日まで梱包できない部品や機械が多いとの指摘があった。 この問題には、平日の9月15日(引越し前日)を移転準備日として臨時休業し、梱包を行うことで対応した。

●引越しをスムーズに行うための「番地作り」作戦

引越しは「どこどこにあるものはどこどこに置け」の細かい指示がなければメチャメチャになる。 そのため下図のように新社屋内に番地をふり、梱包したダンボールにはシールを貼り付け、番地と内容物、梱包した者の氏名を書いた。 これにより荷物の運び入れはスムーズに行うことができた。

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●どうにか終了したが、トラブルからの反省点 ○主機械移送は無事完

「9月5日。青木の工場からカットロボを抽出 新社屋へ建設

主要な機械の移送は、予定通り9月5日に行った。 当日移送した機械はそれぞれ「カットロボ1」、「カットロボ2」の切削加工機2台、試験テスト用の蒸着器1台である。 「カットロボ1」は、前述したようにいくつかの点で不安定な要素があり、運搬方法、運搬動線などについて業者と特に綿密な打ち合わせを行った。 検討の結果、底面に毛布を引いて人力で工場から引き出すこととし、無事搬出できた。 「カットロボ2」は、「カットロボ1」と比べ移転時の大きな不安はない。蒸着器にはアイボルトや車輪があるために、容易に搬出できた。 新社屋への搬入は、搬入扉を引き戸3枚(巾900㎜×3=2700mm、高さ2560㎜)にして十分余裕のある間口をとっており、段差もない構造にしていたので問題なく行われた。 ○組立ライン移転 梱包や搬出・搬入作業中に重量物や長尺物などで怪我をしないように、事前に周知徹底を図った。 また、ミラー原板の取り扱いにも十分注意するように呼びかけた。 特にかさばる凸面形状のものは、傷などがつかないように慎重に扱うように注意し、平積みで運搬するように指示した。 しかし15日の移転準備日の旧工場内は、梱包された部品で溢れかえってしまった。 このため新たに梱包作業をする場所がとれず、すべての梱包が終わらないうちに15日は過ぎていった。 事前の予測があまく、結局、翌16日に業者が搬出可能な荷物を運び出した後、空いたスペースで残った部品の梱包を行うことになってしまった。 引越し作業中にダンボールの追加発注や緊急購入をすることになってしまった。 また番地や内容物などを記すシールも足りず、社内でカラーコピーをして補うことになった。 いずれも発注数が少なかったためである。忙しい最中に、予定外の作業をすることになってしまった。 ○新番地の理解が不徹底 引越し当日16日、新社屋への荷物の搬入開始当初は、引越し作業員がふられた番地を正確に理解していなかったために、従業員が同行して指示しなければならず手間がかかった。 しかし、しばらくすると作業員も番地を正確に覚えているようになり、所定の場所に運び入れることができるようになった。それで従業員の一部は、荷解きに回ることができた。 ○営業部門と第二倉庫の移転 営業部門があった事務所と第二倉庫の荷物は、事前に梱包できるものが多く、作業は順調に進んだ。 事務所も第二倉庫も9月末には完全退去することになっており、移送しない物品は廃棄物として処理する必要があった。 廃棄物には塗料、機械部品、タンクなど様々な物があり、その量は8㎥はあったと思う。 廃棄は、いつも定期的にしておけばよかった。その大量の廃棄物を見て、日頃からの整理・整頓の大切さを認識した。 その都度、要・不要を判断していれば梱包・搬出作業ももっと楽になっただろう。