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「万引問題」物語<連載No.6>

万引問題は、捕まえた人に聞け!!

経営者は売ることに専念。商品ロスはアウトソーサーに!

保安員は能力と使命感がなければつとまらない。 虚飾など一切ない安藤さん、森さんの話に感銘。

コミーを訪ねてくれた安藤さんは、話の最初に「私たちは確かに万引犯を捕まえますが、それはあくまで万引防止という目的のための手段に過ぎません」と語った。そして安藤さんの話を聞いていくうちに、安藤さんの深い思いが我々にも伝わってきた。 「私たちの目的は、万引のできない店にすることです。そして、犯人にもう絶対しないという気持ちを持ってもらうこと。私は万引によって、犯人の過去、将来のすべてをダメだと否定する気はまったくありません。ただ、その人たちが人生の道を踏み外さないよう祈るような気持ちなんです」 安藤さんたちが目標にしているのは、大勢の万引犯を捕まえて、その実績を誇ることではなく、 万引しようという気持ちを持たせない店の実現なのだ。万引がなく、捕まえる必要もないお店である。

使命感がなければ、保安員はつとまらない

万引しやすい店というのは、ある意味で犯罪を生み出しているともいえる。 万引は、その味をしめるとエスカレートして繰り返されるという。 もし小学生が万引をして、捕まえられずに何度も繰り返すようになってしまったら……。 保安員が、お菓子を万引した小学生を捕まえたものの、”とんでもないことになってしまった、どうしよう”と泣き叫ばれ、「捕まえなければよかった」と思うこともあるという。 保安員は毎日、そのような現場に立ち合っているのだ。 「捕まえることは万引した人のそれからの人生のためにも良いことなんだ」という使命感がなければ、とてもつとまらないだろう。

保安員と警官との違いは?

昔、ある政治家が「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちたらただの人」と言ったとか。 それならば、「警官は泥棒を捕まえられなくても警官だが、保安員は万引犯を捕まえられなければただの人」である。ここに、保安員の仕事の厳しさがある。そしてまた、警察の犯罪検挙率が低下している問題も、この辺の意識の違いが背景にあるような気がする。

大手警備会社が参入しない理由は?

森さんによると、高度な特殊技能を要求される保安員の道は厳しく、百人余りを採用しても残るのは数えるほどだという。  話を聞くと、確かに誰にでもできる仕事ではない。観察力、記憶力、説明力、集中力、使命感、そして危険から身を守る技術、等々。それだけに、C社では教育にかなりの時間をかけるという。 C社では約150人の保安員を擁し、私服保安員の数では業界トップとのことだ。 大手警備会社は制服着用のガードマン派遣はおこなうが、これは万引抑止を目的としており、犯人を捕まえるノウハウはないらしい。 私服保安の分野に大手が参入しない理由は、特殊技能者としての保安員の教育が大変なため、企業としての生産性が悪いからとのことである。 保安員の能力の有無を見極め、教育していくノウハウや時間を考えると、大手参入の難しさも納得できる。 安藤さんは、一瞬にしてスタッフの素質や才能を見極める能力と教育力を持っているのだろう。

小売業の経営者は、万引対策に頭を悩ますことなく、売ることに専念できる

C社は、万引防止だけを業務としているのではなく、お店の「商品ロス」のトータルな削減を業務にしているとのこと。 つまり、万引ロスだけではなく、内引き(社内不正)や管理ミスも合わせて削減するのだ。 万引ロスは、安藤さん以下の保安員の人たちが担当するが、内引きや管理ミスは森さんが担当して主に社員教育の徹底によって改善するという。 前にも述べたように、ミラー単独の万引防止効果については数字を出せない。しかし、C社では、商品ロス全体を削減し、その効果の数字をはっきりと出せる。お店側は、削減効果の明確な数字があるため、安心して商品ロス対策をアウトソーシングできる。小売業の経営者は、万引対策に気を使うことなく、売ることに専念できるわけだ。 ただこれは、業界全体がそうだいうわけではなく、C社のユニークさということらしい。

「TVカメラは保安員にとって、あまり頼りにならない」との話に驚く!

保安員が怪しいとにらんだ者を静かに尾行
保安員が怪しいとにらんだ者 (ミラーに映っている) を静かに尾行している

森さんによれば、万引防止の手段、方法も、お店の条件などによって柔軟に対応するのという。予算・投入コストの計画に照らして、保安員の人員数、カメラ、ゲート、ミラー等の設備規模の適切なバランスをコンサルティングした上での対応だ。場合によっては、ミラーの新規設置だけで、保安員は使わずに社員のみの対応を進言することもあるとのこと。 森さんは言う。「TVカメラは、導入直後は効果があるものの、すぐにロス率が元に戻ってしまうようです」。 安藤さんも、「保安員にとってはあまり頼りにならないんですよ」と語る。 「TVカメラで万引現場を発見しても、現場に着くまでの空白時間を考えると、怖くて声をかけられません。 もし間違ったら大変ですから。 また、モニターを見る人と現場の人との連携というのも実際には不可能です。 やはり『着手』『現認』は自分の目で確かめなければ」「ゲート式は、確実な成果を期待できますが、商品にタグやマーキングを付ける作業がバカになりません。ですから大手のお店ならともかく、小さな規模のお店ではその費用負担が重荷ですね」 コミーの防犯ミラーに対しても、保安員が使いこなす道具として、様々な意見をきくことができた。さすがに品種の違いによる特性もよく知っていて、 「○○はとっても使いやすい」とか「○○は、全体状況の把握にはいいけれど、現認段階では相手にこちらの動きを知られる可能性がある」とか、まさにミラーを使いこなしている人からしか聞けない貴重な話であった。

虚飾など一切ない「万引問題を追求する二人」に感銘

安藤さん、森さんは、まさに万引問題を追求する人であった。 安藤さんは「私は職人ですから……」と語り、森さんは、万引問題の本質をわかりやすく説明してくれた。 森さんは「我々にまかせると、一年後の商品ロスはこれくらい減らせます。 そして商品ロスが少なくなったら、さらに保安員の数も減らしていきます。 もちろん店員たちにもロス防止の教育をします」と語る。確実な実績を裏付けにした話は実に説得力があった。 安藤さんと森さんの話には、虚飾らしきものは一切なかった。 我々はそのことにも感銘を受けた。 98年当時(今もそうだろうが)、バブル経済の崩壊に伴って、さまざまな分野で虚飾が暴かれていた。 企業家ならぬ虚業家は、「お金さえ引き出せばこっちのもの」とばかり、政治力、利権、人脈などあらゆることを駆使して、虚飾の城を築いていた。国でさえ、景気対策と称し、役に立たないものを作り続けているではないか。 その結果は、何百兆円にものぼる借金の山である。個人の暮らしはほころび、その弱みにつけ込むサラ金の看板が街にあふれている。 そんな虚飾まみれの世の中にあって、自ら経験、体得したことを淡々と語るお二人の話は、我々にとって実に新鮮であったと同時に、感銘を受けたのである。

No.7へ続く

お試し無料貸出し制度

最適なミラーを選ぶには(1)映る範囲、(2)像の大きさ、(3)使用環境の3つの条件が決め手になります。 現場で確認したいこともあると思います。詳細はご連絡ください。(個人のお客様は除きます)