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「ISO9001短期取得小企業物語」

海外への販促のため、品質保証の国際規格ISO9001を選んだ。
・認証機関:RVA(オランダ)
・審査登録機関:DNV(外資系)
コミーが取得したISO 9001とは…
品質保証国際規格で、規格の範囲が設計・開発・製造・サービスである。

書類づくりを苦手とする20人足らずの小企業がISO取得に金と時間をかけてドロ沼に入らないだろうか?
しかし、FFミラーAIRをコミーのブランドで世界に販売するには、これ がどうしても必要であった。
決断からほぼ10ヵ月で海外にも知名度のあるDNVの審査を受けISO9001の認証を得ることができた。

観察事項として「小人数で、全員が一丸となって認証取得に取り組み、本審査に向けて立派なシステムを短期間で確立した努力は、特筆に値する」 (DNVの主任監査員)という評価をもらうことができた。
そして、これからの生産システムのあり方として会社全体が学んだ点は多い。

ISO取得の動機

3年半ほど前、ボーイングに初めてサンプルを送ってみた時、先方からのFaxは、たかがミラーだけなのに生産システムや図面、許認可等について質問だらけであった。
その中に「ISOを取得した方が、ボーイングだけでなく他社にも売りやすいですよ」とのアドバイスがあった。
航空機業界では安全のため、一つの部品といえども、誰が、いつ、どんな方法でつくって本当に検査OKであったかの記録が必要である。
これがない部品が一つでも付いていたら、飛ばすことができない。
航空機用として、ガラスのミラーは「重い、割れる」という問題がある。プラスチックのミラーは、厳しい燃焼テスト等の基準がある。
それに合格しても、材料や製法にバラツキがあってはいけない。
そのため品質管理はこの業界に通じるものでなければならない。
最近はアメリカの内装屋さんからも、受注条件として「ISOは?」「お宅の生産システムは?」と聞かれる。
これからこの業界でメーカーとして生きようとすればISOはどうしても必要である。

聞き取り調査と取得方針

「ISOを取って良かったですか?」といろいろな人に聞いた。「大変だよ」というのが現場(コンビニ、建築…)の人の声であった。
また、取った経営者たちにも、良くなった点を具体的には聞けなかった。取得後に維持するための負担もかなり多いらしい。
どうやらISOは良い品を安くつくる方法ではなく「わが社は欠陥のない良いルールができており、その通りやっていますよ」の意思表示と考え、それにチャレンジした方が良さそうだ。
そこで弊社の顧問に、書類を単純化できるISOのコンサルタントを探してもらった。
そして相談した上、基本方針を次のようにした。
1.現在は不良がなく実績もある。今までの作業方法をなるべく変えないこと。
2.書類は最少に!たかがミラーだ。
3.取得時期は最短期間の10月頃までに。
4.取得後は負担(お金・時間)をかけないこと。

ISOを運用してみて

●もの覚えが悪い社長でもこれならOK!

社員は大変になることもあるが、社長はこんなに楽になるとは思わなかった。
社長は方針を出し、社員に時間(教育等)や予算をつけ、その結果がどうなっているかを定期的にチェックすれば良いのである。 「社長、サイン下さい」と頻繁に言われるようになったが、書類を良く見てアドバイスすれば良いのである。
もの忘れの激しい社長でも勤まるのである。
マネージメントレビューといって、決めたことが本当に行われているかを見る日が決まっ ている。

●良いシステムだ

役割分担と承認のサインが記録されているのでトラブルがあった時、どこに問題があっ たか、すぐにはっきりわかるシステムである。

●外注管理で思わぬ発見!

今まで外注管理があいまいであったが、ISOの目標に外注訪問指導を入れた。
近くのA社からは、数年にわたりわずかな材料を買っていただけだった。
A社を初めて訪問したら、すごい設備や技術を持っていた。さっそくA社にいろいろな仕事を依頼することができた。

●こんなことまで

1.「品質方針」を額縁に入れ、誰でも見える所に2ヵ所置いた。 最後に社長の名があり、 毎日、社長も見ているが、これにサインを入れなくてはならぬという。
2.FFミラーは壁に貼るだけなので寸法はほとんど問題にならない。
しかし「寸法はバラツいてはならない」また「寸法を計るにはノギス(寸法測定具)がいる」「ノギスは正しくなくてはならない」というわけで、ノギスを定期検査に出して、そのノギス以外は使ってはならないルールとした。

取得までの主なスケジュール

1999年1月16日 社長が取得目標を宣言。コンサルタント来社
4月2日 運用スタート
7月6日 「DNV」(審査登録機関)初回訪問
8月19・20日 「DNV」本審査
10月18日 証明書取得
この間、社員一人をほぼ専属にし、月に2回(土曜または日曜)ISOコンサルタントと共に関係者全員が出社した。

念願の取得!! すぐ、ヨーロッパに売り込んでみて

さっそく英文名刺に入れようとしたら、航空業界に詳しい人から「こんなもの当り前だから名刺に入れるな」と言われてしまった。先日、ヨーロッパ4ヵ国の巨大エアライン、機体メーカー、内装屋さんを訪れたがやはり先方の名刺にも入っていなかった。これはささやかにパンフレットに入れるか、もし聞かれたら当り前だと答えることにしよう。日本の名刺だけにはとりあえず話の種として入れておこうと思う。

これからの理想の生産システムは?

コミーの生産システムは、数年前から一流の「現場カイゼン」のコンサルタントにお願いし、 それなりの成果と自信はあった。
しかし、ルールづくりやルール通りやっているかの確認は案外苦手であった。
それに対してISOはルールでがんじがらめにする仕組みになっている。
両方の良い点を学ぶ方法はないか。
そこでコミーの生産システムの方針は
A.ルールをつくれ(ISOより学べ)
B.ルールを必ず守れ(ISOより学べ)
C.ルールをどんどん変えよ(現場カイゼンより学べ)
を基本とした。