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「掃除と分類」物語<連載No.3>

「社員が整理整頓術を3ヶ月で身につくようにしてくれ!」

──さてその成果は?

顧問の送別会の10ヶ月後、改めてその顧問に整理整頓を頼んでみることにした。条件は以下であった。

  1. 全員にSSの習慣が身につくこと

    たとえば「ものの置き方が変わったら誰でも表示の変更ができること」

    「整理整頓は分担範囲を決めて行うこと」

    「SSの習慣を全員(パートさん、アルバイト、社員)が身につけ、他社へ行っても行動で示せるようになること」

  2. 3ヶ月で終了すること
  3. 元に戻らない仕組みをつくること

改めて工場内を見てみると…。

次のようなことが目についた。

  • 不要品と思われるものがある
  • 何か分からないものがあちこちに置いてある
  • 表示と現品が合わないものがある
  • ライン品(お客様に商品としていくもの)、非ライン品(工場の設備用品・試作用品など)の部品材料が混在している
  • 引出しの中のSSができていない
  • 直角、平行ができていない
  • 誰もが必要書類をすぐ取出せない
  • 清掃日や清掃ルールは決まっているが、役割分担が不明確である
  • ゴミ、ホコリ、汚れが目立つ
  • 作業者のSSへの関心が薄れてきている
  • そこでまずSSの基本は「分けること」と心得、「要品・不要品・保留品」に分けることから始めた。

「これ何なの?誰がいつどんなときに使うの?」と、整理時にはいつもこのような質問した。そして以下の3つに分け、対策をとった。

●答えが「必要です」 の場合→要品

対策:要品として置き場所を決め、見出しをつける

●答えが「使いません」の場合→不要品

対策:不要品としてすぐ棄てるか、不要品札をつけ事務処理後棄てる

●答えが「わかりません」 の場合→保留品

対策:保留品札をつけ保留品置き場に置く。

一定期間後さらに要品、不要品、保留品に分ける

その上で次のことを行った。

1)不要品を棄てる

棄てるといっても最終的には社長判断のときもあり、勝手には棄てられない。

そこで不要品、保留品はそれを判断できる人に見てもらい徹底して棄てた。

またルールを見直し「判断日(廃棄品を決める日)」を設け定期的に分けることの定着化をはかった。

要品

保留品

不要品

判断日 要品

保留品

不要品

判断日 要品

保留品

不要品

2)置き場所と置き方の改善

部品供給係と一緒に工場を廻り、部品棚や引出しなど表示のないもの、表示と現品が一致しないものを無くした。

また置き場所や置くものが変化したら、誰もがすぐ表示用品を取り出し、表示できるようにした。

さらにライン品は白地、非ライン品は黄色地のルールとした。

例えばライン用のキリが3.2Øと図面に書いてあれば、3.0Øや3.4Øを使ってしまったら大変なことになる。 そこでライン専用3.2Øのキリとして部品箱に保管した。

ライン以外のキリは非ラインという表示を付けて全く別の場所に保管した。

3)引出しの中をSSする

引出しの中を全部出し、「要品、不要品、保留品」に分けた。

ダンボールなどで簡単な仕切りを作り、重ね置きをしないようにした。

写真(デジカメ)を撮りSSの維持管理の目安とした。

4)置き方は直角、平行に

ものを斜めに置くと見苦しいだけでなく、場所をとってしまうため、棚、パレット、作業台、出荷待ちの製品など工場にあるものは、通路、壁などに直角、平行に置くようにした。

また配線、配管も乱れていたが、極力直角、平行にし、配線も束ねたり、余分な線を切った。

5)窓際、床の掃除でいい気分!!

手が届きにくい窓、塗料などで汚れている床もライン業務に支障のない範囲で全員参加で掃除した。

特に窓際には金網に各種の道具などを吊下げるようにしていたため、通常は清掃が行き届かず長年のホコリがたまっていたり、床も塗料などでかなり汚れていた。

翌日以降は全員いい気分で仕事をすることができた。

6)各自のテリトリーを決めた掃除のルールを作った

従来のルールでは清掃日や時間などは決まっていたが、徹底できなかった。そこで各自の分担を明確にした。

担当する範囲は全て公平というわけにはいかないが、気にしないことにした。

そしてSSされている状態を定義し、各自が自分でチェックできるようにした。

また帰宅時間がそれぞれ異なり、作業終了時のSSを誰がするのか曖昧だったため、作業台を最後に使用した者がSSして帰宅することにした。

作業台の掃除には雑巾より、ハタキがよいと提案があり、購入しテスト。

そして全ての作業台で使うようにした。

7)協力会社との「やりとり」と「約束」をはっきり分類

協力会社との書類で「やりとり」と「約束」が一緒になっていたものがあった。

特に「約束」は“契約”であり、曖昧ではいけない。

「品質の約束」「価格の約束」「納期の約束」を誰でもすぐわかるようにした。

8)皆と一緒にカイゼンする

決めたこと(ルール)を守る習慣を身につけるために、前述のように全員参加で知恵を出し合い、カイゼンするようにした。

そうすることで守れるルールが作れ、一人ひとりに参加意識が持てるようになった。

「自分たちのSSだ」の芽が出始めた!

3ヶ月間という限られた期間であったがテーマがSSに限られ、これに集中できたこと。また、全員が一致協力できたので目標とした「全員にSSの習慣が身につくこと」ができるようになってきた。 即ち、

1)SSの基礎ができた

「工場のSSルール」で決めた「SSされている状態」がほぼ7割方できるようになった。

2)皆がSSに関心を持つようになった

皆で一緒になって取組んだので各自がSSに関心を持つようになり、特にそれぞれの担当範囲を徹底してSSできるようになった。

社長視察の必要性(ISOから学んだ監査システム)

今までの問題は

  • SSというものは、いくら制度化しても忙しい時もあり、半年後、1年後はみじめな結果になっていた。
  • 社長は一時的にはうるさくても、別なところに心が行き、チェックを忘れてしまう。

仕事とは、結果を出し評価をするもの。売上は数字で評価できるが、SSは「評価」を忘れていた。

そこでSSを社長が評価する日や継続して行なわれるように次のことを決めた。

1.社長が評価する日

ISOでは決めたことが確実に行われるよういろいろ「監査」のルールが決まっている。

我々もこれに習って毎月1回「社長視察日」を設け、トップによる監査と併せてトップが率先してSSを言い続けられるようにした。

2.不要品判断日

判断日(不要品を判定し、棄てる日)を年2回行うことを決め会社の年間予定表に記入しておくことにした。

今後の課題

まだ不十分なところを残したSSではあるが、まずは決めたことを継続して実行すること。

その中でルールの不十分さも見つけ出しルールも変えていくこと。

まさにコミーが言い続けている「ルールがあるか」「ルールを守っているか」「ルールは正しいか」を日々実行していき、さらに次のステップのSSをすすめること。

No.4へつづく