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新社屋建築物語<連載No.3>

3. 「無借金から借金会社へ」
土地探し

まずは土地探しである。これは総務の野村と銀行出身の顧問の三浦さんが担当した。条件に見合う土地がなかなか見つからなかった。土地探しを始めてから4カ月後、ようやく2つの候補地に絞り込み、会社機能の利便性を第一に考え最終的な判断を下した。

●思うような土地が見つからず、不安にかられる

上限1億円の予算と面積100坪以上、そして準工業地域(都市計画法で決められた用途地域の1つで、主に軽工業の工場など、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域を指す)という3条件を満たす土地を探し求めた。金融機関や近隣の不動産屋にも情報をどんどん持ってくるように依頼し、また自分たちでも地図を買って川口市内の他、蕨や戸田、鳩ヶ谷などまで範囲を広げて適地を必死に探したが、なかなか思うような所は見つからなかった。情報をもとに現場に行ってみると、鋳物工場や薬品工場に囲まれていたり、傾斜地だったりと、当方が想定した条件とは隔たりがあるものばかりだった。
3カ月を経てもなかなか思うような土地が見つからず、関係者は不安にかられる日々を過ごすようになる。

●ようやく見つけた適地
「並木1丁目」と「蕨駅前」、しかし課題もある

2005年5月ようやく候補地が絞られてきた。
まず第1段階として①「並木1丁目」(現所在地)②「川口市中青木」③「川口市元郷」が候補に上げられ、検討の優先順位もこの通りとした。
その後、蕨駅前に郵政関連施設の跡地で魅力的な物件が見つかった。このため、6月後半には検討優先順位を①「蕨駅前」②「並木1丁目」とした。

この2つの候補地の概要は次の通りである。

蕨駅前
並木1丁目
土地
120坪
150坪
建蔽率
80%
60%
1F(土地×建蔽率)
96坪
90坪
容積率
300%
200%
延床
360坪
300坪
用途地域
近隣商業
準工業

また、購入にあたりそれぞれ次のような検討すべき課題があった。
〈蕨駅前〉
・価格が入札で決定されるため、はっきりした金額がわからず取得が不確実である
・近商地域のため、都市計画で工場の作業場面積に150㎡以下という制限がある
〈並木1丁目〉
・売主の坪当たりは、相場価格85~90万円と比べ少し高かった

●価格より業務の利便性から決定

「蕨駅前」では研究開発室は、作業場面積に含まれるのか、「並木1丁目」では坪単価がなぜそんなに相場より高いのかなどを中心に調査・検討を重ねた。
「蕨駅前」は課題が多く、見通しが不確実なこともあって、まず2005年6月23日に「並木1丁目」の売主側不動産会社に買付証明書を送り、7月1日に少し高めの回答があった。
7月2日には「蕨駅前」の現地訪問を実施し、検討した結果、同5日に新社屋の建設地を「並木1丁目」に決定した。
予算よりずいぶんと高い買い物となってしまうが、当社が業務を営んでいくうえでの利便性などを考えると、これ以上の物件はしばらく現れないのではという思いが関係者には強くあった。
その後、銀行との交渉が始まる。これまで当社は融資面で金融機関とあまり深い関わりがなかった。
しかし、今後はそうはいかない。7行ほどに声をかけ、条件や担当者の人柄、銀行のバックアップ体制など総合的に判断して、融資元として3行を選んだ。