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「万引問題」物語<連載No.1>

万引問題は、捕まえた人に聞け!!

大変だァ!これがホントならコミーに未来はない!!

1996年9月。書店で万引に関する一冊の本を見つけ、購入した。 その中の一節に驚いた。

その本を手に取ったのは、黄色と赤の派手な表紙に記された「万引」「防止」「マニュアル」の文字が目についたためである。これまでも万引関係の本を見かければ必ず購入してきたが、この本も「お客さんの参考になるかもしれない」、そんな軽い気持ちで購入した。 会社に戻り、たまっていた仕事を片づけた後の一服ついでに、その本を開いた。 パラパラと頁をめくった。従業員の不正問題なども含め、小売業の「ロス」管理の視点で書かれている本のようだ。3分の1ぐらい読み進んだところに、万引防止の装置や機器の項があり、防犯ミラー、監視カメラ、タグセンサー方式などの活用方法が書かれていた。さて、ミラーの効果についてはどのように書いてあるか。 びっくり仰天! そこに書かれていたのは、防犯ミラーの効果、活用法どころか、「効果がない!」「悪いほうに活用されている!」と言わんばかりの文章であった。

「効果がない!」としたら、なぜこんなに売れてるの?

とにかく驚いた。この本を読む前に片づけた仕事も、新たな防犯ミラー導入の大きな商談であった。そのミラー導入も実際には無駄だというのか。 すぐにこの本のことを会社のみんなに伝えた。「よく言うよな」「現場を知らないんじゃないの」。それが大方の反応であった。当然である。みんな、防犯ミラーの仕事で大忙しの毎日を送っている。もしミラーに効果がないのなら、そんなに売れるはずがないじゃないか。また、つい最近、半年間の現場調査の結果を基にした防犯ミラーの効果を解説した資料「Q&A」ができあがったばかりだった。 ひとしきり、この本に対する罵倒、反論の嵐が吹きあれた後、ひとりの社員がこう言った。「もしかすると」と。「もしかすると、本当は効果がないのに、自分たちも含めみんながあると誤解して売れているのかもしれない」と言うのである。この発言で、みんなの熱くなっていた頭が少し冷やされた。 そう言われてみると、防犯ミラーのメーカーといいながら、その効果や活用方法について、誰にも負けないと言えるほどに研究してきたかどうか。売れているから効果があるのだろうとの思いこみがなかっただろうか。しかし、そう反省しつつも、納得がいかない。もしミラーの効果がないのならば、そうしたものを今後も売り続けることなど、とてもできない。それはお客様を裏切ることになる。

噂話によって、その存在をおびやかされる?

もう一度、その本の文章を読み直した。概略、次のような文章である。 『防犯ミラーはそれほど値段が高くないこともあって、かなり普及しているといえる。だが、これが現状の万引防止に効果を上げているかといえば、正直なところ効果が上がっているとは考えられない。(中略) これを活用するためには、販売員がお客とミラーの双方に気を配り、目配りする必要があるのだが、そんなことをしている販売員を見かける方が少ない。逆に、万引犯がミラーで販売員の動きをチェックしてタイミングを狙っている。悪い方に活用されてしまっているのが現状なのである』 まあ、あえて著者の側にたって読みとれば、防犯ミラーに罪はなく、ミラーへの目配りなど、販売員がこれを活用していない現状を書いた、ということになるのかもしれない。しかし、防犯ミラーの導入を考えるお客様がこの本を読んだらどうだろう。「なんだ、ミラーは効果なしか」と思わないだろうか。 最近スピッツを見かけなくなった。あのキャンキャンとよく吠えた白い小型犬である。子供の頃、ちょっと近所を歩くと必ず出会った犬である。ある時期から「弱い犬ほどよく吠える」の代名詞になり「うるさく泣くだけで(泥棒には)役に立たない」というイメージが定着した。 そうなるとペットショップでも扱わなくなり、今やレッドデータブックの“種の絶滅危険種”に指定されているのでは?と思うほど見かけなくなってしまった。 商品の中には、日本人の生活スタイルの変化と共に、その姿を消したものも多い。たとえば下駄なども、普段の暮らしの中でみかけることは少なくなった。こうしたものは、一個人、一企業がどうこうしたところで変えることのできない社会全体の変化である。しかし、スピッツのように、あまり根拠の無いイメージや噂話によって、その存在をおびやかされるのは何とも悲しい。 コミーの防犯ミラーがあの可哀想なスピッツのような運命を辿ってはたまらない。あらためてそう思った。

まずは著者に抗議文を送った。返事はなかった。

我々は、防犯ミラーの効果や活用方法について、あらためて利用現場で確認することを決めると共に、本の著者に抗議文を送ることにした。 抗議文は大意、次のような内容であった。 『○○先生 はじめまして。ご著書を読ませて頂きました、大変勉強になりました。 実は、私共はお店用の防犯ミラーを売り出して20年近くになります。その間、販売量は増加し続け、現在もさらに増えている状況です。しかし最近は、監視カメラもどんどん高性能になると同時に安くもなっており、もうミラーの存在価値はどんどんなくなっていくのだろうか、との不安もないではありません。しかしその一方で、それならばミラーはなぜ売れ続けるのだろうかとの疑問もわいてきました。 そこで約半年間にわたり、現場を調べ続け、やっとできましたのが、別紙同封の「Q&A」です。 私共の調査では、ミラーは、監視カメラと比較するものではなく、かなり存在価値があるということがわかりました。 この点、本の○○ページに書かれていることは誤解されやすいのではないかと思いました。 ミラーのお店の死角をなくす用途はまだまだ増えると思います。近々、また新商品を発表します。 今後とも宜しくお願いいたします』 読んで頂けたのかどうか。著者からの返事はなかった。 読者のみなさんは、「何を大げさな」と思われるかも知れないが、我々にとって、この1996年9月の出来事は、コミーが防犯ミラーを手がけることになってから19年目のまさしく「大事件」だったのである。

No.2へ続く

お試し無料貸出し制度

最適なミラーを選ぶには(1)映る範囲、(2)像の大きさ、(3)使用環境の3つの条件が決め手になります。 現場で確認したいこともあると思います。詳細はご連絡ください。(個人のお客様は除きます)