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「万引問題」物語<連載No.2>

万引問題は、捕まえた人に聞け!!

コミーと万引との「出会い」 1977年のこと。

遊び心の回転ミラックスの試作品を展示会に出してみた。 大量注文が入ったが、その目的が「万引防止」だったとは……。

前回の「大事件」のその後を語る前に、コミーが防犯ミラーのメーカーとなった経緯をどうしても紹介したい(注1)。

回転看板が縁で立ち寄った人がいた
右上の回転看板が縁で立ち寄った人がいた

1977年。当時、コミーは看板業を営んでおり、「回転看板」というものを売り出して好評を得ていた時期である。 そんな折、「これが回転看板につけられないか?」と言ってアクリル性の凸面ミラーを置いていった人がいた。これも回せば面白いかもしれないと思い、サンドイッチのようにふたつ貼り合わせて、小型モーターで回転させてみた。すると、なんだか面白い。そこで、この試作品「回転ミラックス」を展示会「JAPAN SHOP’77」(注2)に集客用ディスプレイ用品のつもりで出展してみた。ほんの遊び心からだったのだが、これがなかなかの評判だった。

一度に30個の注文。一体、何に使うのだろう?

そんな中、一度に30個の注文をしてくれたところがあった。それが、スーパー白菊さんであった。 白菊さんには、現在でも新商品の開発などでユーザーの立場からの様々な貴重な意見を頂くなど、いろいろとお世話になっているが、これが初めての出会いであった。 そんな数の注文があるなどと期待していなかったので、あわてて友人に相談し、生産方法なども工夫して1カ月後に無事納品できた。当時はそんなに売上げも大きくなく、お金のない頃だったので、納品時に代引きで頂戴した30個分のお金は大変ありがたかった。 その事はしばらく忘れていたのだが「一体、何に使っているのだろうか?」と気になった。 モノの本に「購入者に聞け!」と書いてあった。それで勇気を出し、納品から数ヵ月後に恐る恐る白菊さんを訪ねた。 「あんなものいらなかった」と言われるかもしれないとも思いながら……。 そしてその日、スーパー白菊さんから聞いた話に本当に驚いた。回転ミラックスの使用目的は「万引防止」だったのである。

知らなかった!華やかなお店の裏では、こんなに万引に悩まされているのか!

白菊さんはいろいろと教えてくれた。我々は、まさか自分たちが作ったミラーが万引防止に役立つなどと考えたこともなかったので、初めて聞いた万引の話は、そのひとつひとつが大変に興味深いものだった。 華やかに見えるお店の裏では「万引」で悩まされており、回転ミラックスがいかに役に立っているかを白菊さんは熱っぽく語ってくれた。小売業の方々がいかに万引防止に苦労しているか、その実態などはあらためて紹介するつもりだが、まさに「万引犯との熾烈な闘い」とでもいうべきものである。 さらに白菊さんは、他のチェーンストアなど仲間の方々も紹介してくれた。コミーにとって白菊さんは、万引の現場に目を開かせ、新たな市場への扉を開いてくれた大恩人なのだ。

我々のミラーは防犯カメラに淘汰されてしまうのか!?

発売当初のミラックス
発売当初のミラックス。 外観は現在とほぼ同じ。

回転ミラックスがきっかけとなり、コミーは、受注生産の看板業の世界から脱皮し、商品開発型のミラーのメーカーになっていった。 回転ミラックスは市場の評価を得た(注3)が、我々に悩みや迷いがなかったわけではない。 そのひとつが、回転ミラックス優先の単品集中型でいくのか、多品種対応型でいくのかということである。 いろいろ考えた結果は、「コミーはものづくりの好きな会社」ということであった。お客様の求めること、死角をなくすための道具をつくるメーカーとして、要望に応じてとにかくつくってみよう! こうしてコミーは「死角を生かす気くばりミラー」のメーカーとして、多くの商品を生み出した。しかし、もうひとつの悩みができた。それは防犯ミラーの将来性であった。 回転ミラックスをはじめ、コミーの防犯ミラーの業績は、順調に推移していたものの、その一方では監視カメラが普及し始めていた。店舗内にカメラを設置し、その画像をモニターしたり、録画するシステムである。この監視カメラ市場に大手メーカーも参入したこともあり、銀行の店舗やキャッシュコーナーでの導入をはじめとして、小売業での導入も一気に進んだ。このまま監視カメラの普及が進んでいけば、我々のミラーが不要になってくるのではないかとの心配があった。 しかし、ミラーの売上は減少するどころか、むしろ増加し続けたのである。この現象自体はうれしいものの、その背景や理由がわからない。カメラとミラーの両方を設置している店舗も増えてきたように感じる。 もしかすると、チェーンストアの店舗設計マニュアルの変更が間に合わず、カメラとミラーの併用が惰性でおこなわれているのかもしれない。マニュアルの改訂が進んだとたんに、ミラーの売上が激減となるのではないか、などと不安を持ち始めるとキリがない。 そこで、当時の一番のお客様であった大手コンビニエンスストアの店舗設計担当者に恐る恐る聞いてみた。「もしかして惰性で?」。

役に立たないものを使い続けるわけがないじゃないか!

答えは、「バカ言ってんじゃないよ!」だった。 「競争が厳しくて、我々もお店も、無駄なお金は一円でも減らそうと必死なんだ。いくら仕事が忙しくたって、余計なモンなら、今すぐにでもマニュアルから削ってるよ」と言うのである。 さらに「定期的に加盟店さんの意見を聞くシステムもあり、アンケートをとったりしてるけど、ミラーがないと困るという意見が強いんだよ。だから我々も設計に入れてるわけ」。 ホッとさせてもらった上に、また勉強させてもらった。つまり、カメラとミラーの役割が違っていたのである。 カメラは、店長がバックヤードでモニターを見て、万引防止やお店の混み具合、アルバイト・スタッフの勤務状況の把握のために使われる。また記録性があるので、万が一の強盗犯等への対応にも有効である。 一方、ミラーはレジやフロアのスタッフが、棚の裏側など、死角となるエリアをその場で確認するために必要だったのだ。 効率的経営を重んじるコンビニで防犯ミラーが採用され続けているのは、店舗における防犯ミラーの有効性の証明材料といっていいだろう。 もし、前回紹介した本の著者が言うようにミラーの効果がなかったり、万引犯を助ける効果を持っているとしたら、とうの昔にコンビニからミラーが消えていたのではないだろうか。

No.3へ続く

[注1] この話は、「航空業界参入物語」でも紹介しているが、コミーにとって非常に大きな転機となった事なので、再度記しておきたい。 [注2] 実は、航空業界参入物語ではこれを「JAPAN SHOP ’78」としていた。てっきりそう思い込んでいたのだが、本原稿を作成するために当時の写真アルバムやチラシのファイル、黄色くなった新聞スクラップ等を引っ張り出して調べてみると、77年のことだった。 [注3] 回転ミラックスは「JAPAN SHOP」出展ごとに売上が増え、知名度も向上して、1981年に「東京都輸出優良商品」、1982年にはギリシャ「セサロニキ国際展示会」にて「出展名誉賞」を受賞するなど、市場の評価も定まり、現在までに至るロングセラー商品となった。

お試し無料貸出し制度

最適なミラーを選ぶには(1)映る範囲、(2)像の大きさ、(3)使用環境の3つの条件が決め手になります。 現場で確認したいこともあると思います。詳細はご連絡ください。(個人のお客様は除きます)