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「万引問題」物語<連載No.8>

万引問題は、捕まえた人に聞け!!

『万引問題解決法』の発刊!

「例の本」の著者に会えても解決せず。広告しても解決せず。 残された道は……。

「例の本」に書かれていたように「ミラーには万引防止の効果がない」のかどうかを確認するため「現場に聞け」の方針で、多くのユーザーをたずねたことは、第3回に詳しく述べた。 我々は、多くの店の人やプロの保安員の話を聞き、ミラーが万引防止に活用されているとの確かな自信を持った。 しかし、我々に自信はあっても、大きな書店の棚には「例の本」がまだ並んでいる。 万引問題に関心のある小売業や店舗コンサルタントの人たちが「例の本」を読み、「ミラーは万引防止に効果なし」と考えるかもしれない。 多くのユーザーがミラーの効果の事実を語ってくれた。その生の話をあらゆる人に知って欲しい。 広告を出すことも考えた。しかし、メーカーが自社製品の効果を語っても、単に売上を増やしたいための我田引水と思われるだろう。何か良い方法はないだろうか。

これがミラー活用現場の事実だ! 雑誌に「ユーザーズレポート」を掲載

『商業界』
『商業界』 98年月10号

いろいろ考えた結果、雑誌記者にお店を取材してもらい、その生の声を紹介してもらうことにした。雑誌記者の取材記事であれば、読者の役にも立つだろう。 雑誌は、小売業の人達に定評のある『商業界』に決めた。タイトルは「ユーザーズレポート」、スペースは1頁。 『商業界』のユーザーズレポートでは、98年の6月号から3回、この物語の中でも紹介したスーパー白菊さんや、ヨドバシカメラさん、サンドラッグさんなどのミラー活用事例を紹介した。(注)セキュリティ専門誌『安全と管理』にも、1回掲載したので、99年の6月までの1年間で、計4件の事例を紹介した。それぞれの店が、企業名・店舗名の明記や写真撮影など、取材に対して非常に協力してくれた。 4回分のレポートは、我々にとってはまとまった内容で、ミラー利用の現場に立脚した好企画だったとは思う。しかし、雑誌はどうしても一過性のものである。必要な時にいつでも見れたり読んだりできるわけではない。我々は、万引問題に悩む人にミラー活用現場の事実を伝えていくためには、本としていつも書店に並んでいるようにするしかないのか、と考え始めた。 ユーザーズレポートの進行の中で、こんなことがあった。 『商業界』の担当者と「例の本」の話をしたら、なんと著者のA先生を知っていると言うではないか。 『商業界』でも何度か書いてもらっているとのこと。早速、紹介をお願いした。防犯ミラーは効果なしとする著者に、我々が現場から学んだ多くの事実を是非とも知ってもらいたい。 そうすれば、A先生の今後の執筆や指導活動の中で、その事実を紹介してくれるかもしれない。そんな期待もあった。 A先生もコミーへの来社を了解してくれた。そして我々が本を目にしてから1年8ヵ月後の98年6月22日、A先生がコミーに来てくれた。

A先生にやっと会えたが……。 「あれはもう一人の人が書いた」に仰天!

A先生とは、しばらく自己紹介や会社のことなどを話した。そしていよいよ「ところで先生、本の中の防犯ミラーについてのことなんですが」と本題に入ろうとした。が、次のA先生の言葉には仰天した。「あれはもう一人の人が書いた」というのである。 「著者」A先生は、自分が書いたのではないというのか! 本の中の防犯機器の部分のことなのか本全体のことなのか、はっきりとしない。 しかし少なくとも、あの本の防犯機器に関しての内容は、メーカーの販促資料のような内容ではあった。A先生が単に引用しただけなのか、他の人が書いたものかはわからない。A先生は、「これから用事がありますので…」と引き上げていった。

万引問題の事実の本をきちんと書いてくれる人はいないものか

「著者」に会えたものの、問題は何も解決しないままだった。そして「例の本」は書店に並び続けている。 やはり自分たちで本を出すしかないのか。しかし、我々自身が書くのは難しい。書いたところで発刊してくれる出版社があるだろうか。また、メーカーが書いた本では、広告と同じで、我田引水と受けとめられてしまう。 万引問題の事実をありのままに書いてくれる人はいないものか。出版社はないか。 しかし、万引問題はどちらかといえば地味なテーマであり、話に乗ってくれるところはなかなかないかもしれない。

出版社が見つかった!

『安全と管理』
『安全と管理』 98年9月号

ところが案外身近なところで出版社が見つかった。セキュリティ専門誌『安全と管理』を発行している『日本実務出版』である。この雑誌にはユーザーズレポートの掲載を1回だけだがお願いしていたし、広告でのつきあいもあった。しかし、我々には雑誌社という先入観があり、書籍出版のイメージがなかったのだ。 実務出版の森口社長に会って我々の考えを詳しく話した。そしてその後、出版の方向で具体的に考えるとの連絡をもらうことができた。 我々からお願いしたのは、「ほんの半頁でもいいから、ミラーについての現場での事実を書いて欲しい」ということだけである。そしてコミーとしても協力したいと伝えた。申し出た協力とは、企画や発刊後の販促などである。というのも、コミーには強力な援軍、菅谷さんや堀さんがいた。 菅谷さんは、以前、雑誌『商店建築』や書籍の制作を手がけ、その後、毎日出版文化賞受賞の『針灸学』出版の経験もある。堀さんは、カゴメで長く広報室長をつとめ、現在は独立して多くの企業の広報を支援している。広報についての著書もあり、広報業界で広く知られた人である。両氏とも、コミーの顧問、ブレーンとして、日頃からいろいろと知恵を借りていた。

2000年6月、念願の『万引問題解決法』発刊!

著者は、葉山慶さんに決まった。葉山さんは、総合誌や専門誌を中心に、インタビュー、ルポルタージュなどの執筆をしている気鋭のライターである。お会いした葉山さんは、誠実な感じの人だった。万引というテーマは初めてだという。初めての方が万引問題の現実に新鮮な驚きを感じるだろうし、現場の事実を書いてくれるに違いないと思った。 その後、葉山さんは精力的に取材をおこない、その内容をベースに執筆を開始、原稿がほぼできあがったのは2000年4月頃であった。この間、出版社の森口社長とも何度も会い、前述した菅谷さん、堀さん他、コミーの応援部隊も協力した。 そして2000年6月、発刊。念願の『万引問題解決法』が書店に並んだ。 これらの努力はすべて、万引現場の事実を多くの人に知って欲しいという願いからだった。

万引問題解決の精神「片手で抱いて 片手で殴れ」とは…

その内容は取材を基にした事実としてきちんと書かれていた。他の防犯機器に関してもそれぞれの特長がまとめられ、全体が「例の本」とは違って、机の上ではなく、自分の足で現場をめぐり話を聞いてまとめられた力作だった。 我々もこの本を読んで初めて知ったこともあったし、考えさせられたことも多かった。問題が深く掘り下げられ社会問題としての万引問題を考えるためにも、店舗関係者だけではなく、できるだけ多くの人に読んでもらいたい奥の深い本となっている。 『万引問題解決法』の副題「片手で抱いて 片手で殴れ」は、警備会社の社長K氏が、「保安員の仕事はこの言葉に尽きる」として語った言葉である。愛情を持って接すると同時に、激しく諭す。優しさと厳しさの両立は、口で言うのはたやすいが、実行するのは難しい。保安員は、その難しさの中で葛藤し、悩み、万引犯と闘っているのである。 万引問題解決の精神は、この「片手で抱いて 片手で殴れ」という言葉に言い尽くされている。

『万引問題解決法』
『万引問題解決法』

防犯ミラー(『万引問題解決法』の第6章より) 万引は現行犯逮捕が原則なので、人の目で犯行現場を確認する必要がある。カメラは基本的に離れた場所でモニターするための機器だが、ミラーは現場で取り押さえるのに適しているのだ。たとえば、ミラーの中で客と目が合ったら要注意だ。ふつうの客なら商品が並んでいる棚を見ているので、上にあるミラーは見ないはず。万引をしようとしている人は店員の動きを気にするから、ミラーのなかで店員と目が合ってしまうのだ。また、カメラの映像は誰かが専属で監視している必要があるが、ミラーは店員が作業しながらでも見られるので、小規模な店舗でも利用しやすい。 防犯カメラや万引防止機器の場合は「見られているからやめておこう」という抑止力だが、防犯ミラーの抑止力は「鏡に映る万引しようとしている自分の姿の醜さ」が万引犯の良心に作用するようだ。たとえば、誰でも鏡を見る時には、髪型の乱れやネクタイの位置を整えて自分の一番いい顔を映そうとする。鏡は他人の視線で自分を見ることができる道具だが、鏡の持つ不思議な力が万引犯の良心に訴えるのかもしれない。 さらに、ミラーがあれば棚で作業しながらレジを注意できるため、レジが混雑しはじめたらすぐに行けるなど、接客ツールとしても利用されている。

No.9へ続く

お試し無料貸出し制度

最適なミラーを選ぶには(1)映る範囲、(2)像の大きさ、(3)使用環境の3つの条件が決め手になります。 現場で確認したいこともあると思います。詳細はご連絡ください。(個人のお客様は除きます)