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東京都立葛飾ろう学校 衝突防止物語<No.5>

衝突防止はどんな学校にも共通する問題


 葛飾ろう学校には今年度、視覚障害を併せ持つ子が入学した。その子は弱視なのだが、衝突事故などが起これば全く見えなくなってしまう可能性もある。より安全な生活ができるようにと、その子が活動するエリアにもミラーが設置してある。実はこうした理由でミラーを設置するのは、ろう学校ばかりではない。以前も「衝突が致命傷になる病気の子どもが入学してきたのでミラーを設置したい」という中学校があった。結果として、その生徒だけでなく、多くの生徒の衝突防止に役立ったそうだ。
 病気を持つ子どもだけでなく、元気な子どもだって衝突すれば怪我をする可能性がある。衝突が危険だという点については、どんな子も一緒だ。葛飾ろう学校を訪問して思ったのは、この学校が特別なわけではなく、どんな学校でも同じように衝突防止対策を必要としているのではないかということだ。
 ただ、これだけミラーを活用してくれるのは、ろう学校だからかもしれないとも感じた。学校にミラーを設置しても、「”見ようね”なんて書かなくても見るよ!」と言ってくれるところはなかなかない。ろう学校の子どもたちは視覚からの情報に鋭敏なのかもしれないし、先生方も安全指導に熱心なのだと思う。ほかの学校では、ミラーに気づいてもらうための表示などに、もっと工夫が必要だと思った。

世界中の学校でミラーを役立ててほしい


 7月29日の訪問の際、階段の踊り場にミラーを2台追加し、寄贈したミラーは全部で22台になった。学校の廊下には、死角となる場所が思っていた以上に多かった。
 「学校事故事例検索データベース」を見ると、さまざまな学校の廊下で衝突事故が起こっていて、負傷している児童も少なくないことがわかる。救急車を呼ぶような大怪我につながることもあると聞く。先生方も子どもたちが怪我をしないよう常に気を配らなければならず、大変なことだろう。
 コミーは葛飾ろう学校を訪問し、ミラーが学校で役立つことに自信を持った。コミーのミラーを日本中の学校で、子どもの衝突防止と先生の負担軽減のために活用してもらえたらと思う。また、コミーでは2014年5月にアメリカのシアトル近郊に「Komy America」(子会社)をつくったので、将来は世界中の学校にミラーを広めていきたい。できれば幼稚部や小学部など、小さなころからミラーを活用してほしい。子どものころから「曲がり角では安全確認」という習慣をつけてもらえたら、大人になっても安全通行ができるのではないかと思う。

 

学校での衝突事故事例 「学校事故事例検索データベース」より抜粋
事例1 始業前の特定時間中、教室に戻ろうと1階から階段を上がり、2階の廊下に達した際、廊下から階段に向かっていた他児童と衝突し、その児童の額部と本児童の右眼部分がぶつかった。
事例2 本児童が教室へ入ろうとした際、廊下へ出ようとした他の児童と出会いがしらに衝突した。
事例3 本児童は、次の時間のクラブに行こうと教室から廊下に向かったところ、横から走ってきた他の児童と衝突し、転倒した。その際、顎を床にぶつけ負傷した。
事例4 給食前、教室を出て2階の廊下を歩いていたところ、特別教室から飛び出してきた他の児童と衝突した。
事例5 体育館の清掃に行くために歩行していた。友人が本生徒の左側より清掃用具を取りに行くために走ってきて衝突し、転倒した。その時に、腹部を打撲した。
事例6 体育館へ行こうと廊下を歩いていたとき、体育館から走ってきた他の児童と衝突し眼を負傷した。

出典:JAPAN SPORT COUNCIL(日本スポーツ振興センター) 学校事故事例検索データベース